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「お不動様」の名で親しまれている不動明王は、詳しくは不動威怒明王(ふどういぬみょうおう)といいます。また不動尊とも無動尊ともいわれます。
インド古典語においては「アチャラ・ナータ」といい、ヒンズー教のシヴァ神の別名です。不動(アチャラ)とは不動堅固の菩提心(悟りを求める決意)を意味しております。宇宙の真理そのものである完全無欠の法身仏であるのが大日如来です。その教令輪身として形を変えたのが不動明王であり「不動使者」とも名付けられています。
如来の「一切の邪悪を取り除こう」という勅令を受けて、当たり前の説法では救いがたいような剛強軟化(ごうごうなんげ)の衆生を救済するための願いをお持ちであります。
様相は磐石(ばんじゃく)の上に御立ちになっているかお座りになっており、背中の火焔(かえん)は「煩悩を焼き尽くす」という意義が込められています。
右手にお持ちの利剣(りけん)は浄菩提心の智恵を意味し、左手の羂索(けんじゃく)は古くは戦闘具であったが慈悲のシンボルであります。
面は憤怒相(ふんぬそう)といった怒りの表情であります。その厳しさの真意は、優しさの裏返しなのです。
波切(なみきり)には、このようなお話しがあります。
弘法大師空海が約千二百年前、遣唐使として入唐されて密教第八祖となられます。そして日本への帰路、海上で大変な嵐に遭遇されます。弘法大師は、船中にて一心に不動明王を拝まれております。無事にこの船が日本に戻られて、膨大な仏典や仏具とともに布教されますように不動真言を繰り返しお唱えされます。
大嵐が最高潮に達しようとしたところ、不動明王が海上に降臨出現されて、大きな利剣を振りかざしばっさばっさと大波を切りきざみ続けます。
やがて大嵐は徐々におさまりの兆候となり、ついには静寂の大海原となり、遣唐使船は大宰府に無事に寄港することができました。名実ともに晴れて、日本に布教されることとなったのです。
そのお不動様のことを波を切りつづけた波切不動明王といいます。その功徳力にて現在の密教が日本にもたらされたといえるのです。[写真撮影 副住職:東シナ海
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立江寺御本尊 | 横浜波切不動明王 [高野山浪切不動明王御分身] |
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