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お不動様と親しまれる不動明王は、元々はアチャラナータというインドの神様でしたが仏教に取り入れられ、願いを成就する最強の仏様として大変永く信仰されております。背中に火炎を背負われて、盤石(ばんじゃく)という固い岩盤の上に佇んでいらっしゃいます。
右手には煩悩を断ち切る利剣を、左手には仏様に対して素直な心を持たない輩を縛り上げる縛索をお持ちになっております。
一方で厚く不動信心をされる者には、炎の中に飛び込んでもその願いを叶えようとされます。
多くの場合、不動明王を祀る壇は護摩檀といって炎をあげられるようになっており、不動明王といえば護摩というよう関係になっております。
お不動様は、背に炎を背負っているように火炎三味という炎の中にいらっしゃると考えられております。
不動護摩とは、お不動様と炎をあげる炉と行者が一体となり天上界の仏の世界に願いをとどける最高の祈願修法なのです。
弘法大師空海上人が千二百年前、遣唐使として唐に留学し時の仏教である密教を伝授されました。日本へ伝えるために帰路の船中で一尊の不動明王を拝まれておりました
大海原は荒れ狂う風とどしゃぶりの大雨であり、もし船が沈むと伝授を受けた密教を布教することはできません。
弘法大師は不動真言を何遍も何遍も繰り返しお唱えされていたのでした。すると突然、大嵐の海上に巨大な不動明王が出現し、右手に持つ巨大な利剣で大荒れの浪波を切り裂いたのでした。
海は次第に平穏を取り戻し、遣唐使船は晴れて無事に日本に戻られて密教の布教を成就する事ができたのでした。
そのため海上安全、交通安全にも大変な御利益がございます。
このありがたいお不動様はいつしか浪切不動明王(なみきりふどうみょうおう)と言われるようになり、千二百年という歴史の中で、篤い御信心のもとあまた多くの人々に御手を合わせられ、現代でも高野山に祀られております。当山の不動明王は、その御分身を頂いており「横浜波切不動尊」と命名されております。
[写真:東シナ海 撮影 副住職]